1 不法行為について力試しをしてみよう
 すでに不法行為の要件を学習しましたので,いろいろな具体的事例について不法行為が成立するかを判断できるはずです。具体的事例の事実を不法行為の要件にあてはめていけばよいわけです。
 そこで,力試しとして,いくつか事例問題を集めてきました。以下の事例問題について,不法行為が成立するかを検討してください。

2 不法行為が成立することの意味
 なお,「不法行為が成立するか」という問いは,「不法行為に基づく損害賠償請求ができるか」という問いと同じです。なぜだかはもうおわかりですよね?

3 論理的な思考をしたうえで結論を出すこと
 回答にあたっては,これまでにも何度か申し上げていますが,不法行為が成立するかどうかの結論だけを回答するのではなく,なぜそのような結論になるのかもきちんと説明しましょう。論理的な思考を経たうえでの結論でなければなりません。そして,論理的な思考はちゃんと言葉にして答案上にも表現しなければなりません。

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<問題1>
 Y国は,地上探査機を火星の地上に送ることに成功したが,探査機が着地したのはXが所有を主張している土地であり,Xは何ら承諾していなかった。
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<問題2>
 Xは,友人のYといっしょに買い物に行っていたが,その間にささいなことで口論となった。口の立つYにさんざん悪口を言われて激怒したXは,Yの顔を1発殴り,Yに全治1週間のケガをさせた。
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<問題3>
 Xは,インターネットで目立ちたいと思い,SNSにYの悪口を面白おかしく大量に書き立てた。そのため,Yの評判は著しく低下した。
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<問題4>
 Xは,大規模なショッピングセンターで買い物をしていたところ,乗ったエスカレーターが整備不良のため故障しており,そのせいで派手に転んでしまって大ケガをした。
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<問題5>
 Xは,Yと結婚しているZのことが好きになってしまい,熱心にZを口説いて交際することとなり,性的関係を結ぶに至った。
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<問題6>
 Xは,見知らぬYから電話がかかってきて,10万円振り込めば開運の祈祷をするとの言葉を信じ,Yの口座に10万円を振り込んだ。もちろん,祈祷などされなかったし,Xの運が開けることもなかった。
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<問題7>
 Xは,電車の座席で居眠りをしていたところ,寝返りを打ったため隣の席にいる女子高生のYに抱きついてしまった。
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<問題8>
 Xは,憎きYを殺害しようと思い,Yの自動車に爆弾を仕掛けた。すると,Yは自動車に乗る前に心臓発作で亡くなった。
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